「なら燈花会」による経済効果は30億円以上
南都経済研究所(奈良市)は、県内に30億円超の経済波及効果があるとする推計結果をまとめた。
古都奈良の夏の夜を彩る風物詩として定着した「なら燈花会(とうかえ)」は1999年より奈良公演周辺を会場とし、水をいれたカップを会場に並べ、そこにろうそくを浮かべ点灯するというシンプルなまつり。「燈花」とは、灯心の先に出来る花の形のかたまりのことで、これが出来ると縁起がいいと言われている。燈花会は、過去に行われていた「ならまつり」が10年経過したのを契機に、それに代わるなららしいまつりを創出しようと商工会議所などの青年3団体が中心となって企画したイベント。年々来場者が増加し、今や古都奈良の夏を彩る風物詩として定着している。
2018年の来場者は951000人、1日あたり95000人。
修学旅行として奈良を訪問中の中学生にカップ、ろうそくの設置から、消灯、撤収まで一連の作業を学校単位で体験する「体験燈花会」には2018年には10校、約1400名が参加した。
「一客一燈」来場者が指定された場所内の好きな場所位カップを起き、自分の手でろうそくを灯す。参加者は1人500円を協力金として支払い、次回開催の準備資金としている、2018年は6384人が参加し、およそ335万円の協力金が集まった。
燈花会の会場で、調査員が来場者に聞き取りを行う形でアンケートが実施された。その結果、宿泊者は10,154円、日帰り者は3,154円の消費行動をしていることが判明した。このアンケート結果を基に来場者数で類推すると、燈花会によって誘発された消費額は33億5600万円だったが、奈良県内の経済活動に絞り込んだ直接効果はおよそ20億円、一次波及効果4870万円、二次波及効果5330万円となり、奈良県内への経済波及効果は30億2200万円となった。
▷南都経済研究所レポート(PDFファイル)