ロケット発射場による経済効果(和歌山県)

レポート

和歌山県和歌山市から串本町田原にロケット発射場の建設地がある。日本国内のロケット発射場は、種子島宇宙センター(鹿児島県)、内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県)の2箇所だった。キヤノン電子とIHIエアロスペース、清水建設、日本政策投資銀行の4社が出資した民間企業スペースワンが運営する。2021年夏の完成を目指している。

種子島宇宙センターでロケット発射が行われる状況を参考にすると、見学者が2万人、車は8000台、発射場がよく見える田原海水浴場周辺には多くの見物人が集まると予想される。串本町は庁舎の移転に伴い、古座分庁舎にある議場を改装し、ロケット発射の映像を放映するシアターを2021年度中に設ける。長さ約12メートルの大型8Kスクリーンを置き、ロケット打ち上げや橋杭岩など町内の観光名所などを映像で紹介する。

和歌山県は建設投資効果で28億円、ロケット発射場運営効果は年間51億円、観光消費効果は13億円と予想している(波及効果含む)。和歌山県の観光統計によると、和歌山県を訪れる観光客1人の消費額は平均で37,608円(ツアー、個人旅行含む)。1回のロケット発射で2万人の観光客が来訪すると、それだけで7億5200の観光消費が生じる。今までは夏に通年の44%を超える観光客が集中していたが、ロケット発射の季節を夏以外に設定することで、通年を通した観光需要を喚起出来る。そうなれば宿泊施設などへの新規投資も可能になり、新しい観光資源として注目を集めている。
(経済効果NET)

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