俳優「 田村正和 」さん関連作品制作による 経済波及効果 443億4900万円

レポート

田村正和 さんの経済効果


2021年4月3日に俳優の田村正和さんが、永眠されていたことが先日報じられた。1960年、兄・高廣主演の映画『旗本愚連隊』の端役から、俳優活動をはじめ、亡くなるまで多くの作品に出演されてきた。
経済効果NETでは、田村正和さんの功績を数値化する試みとして、氏が関わった作品の制作費として動いたお金を基に計算することにした。

劇場公開の映画作品は、朝日新聞1998年03月28日の記事、「日本における映画投資のフロー及びストックの試算」(2017年3月内閣府)などを参考にして、平均制作を1億円と設定。田村正和さんの作品への関与度を変数として、端役、準主役、主役で分類。1960年代から映画出演歴があるために、当時の金額に変換するために、政府が発表している消費者物価指数を乗じて計算した。例えば「今年の恋」(1962年、松竹)に田村正和さんは準主役として出演している。制作費1億円、消費者物価指数20.9%、関与度60%と設定すると555万円になる。

テレビドラマの出演作品数は130うち主演は88作品だった。主演であっても全ての話(1回の放送分)に田村正和さんが出演しているとは限らない。脇役の場合は特に出演していない話もある。出演した130作品の中で何話に田村正和さんが出演したか、全てを確認した結果、1097話だった。
テレビドラマの制作費は、NHKが公表している「2021年度収支予算と事業計画の説明資料」や新聞記事などから平均値を算出。映画同様に、制作された年の消費者物価指数を乗じて、その当時の金額に換算し直した。
田村正和さんが生涯で出演した、テレビドラマの制作は総額で179億円にものぼる。

テレビコマーシャルの出演本数は、313作品、のべ28社のCMに出演している。CMの制作費は「広告制作料金基準表 アド・メニュー」を参考にし、出演概要は、ORICNのWEBサイトと、20世紀のテレビCMデータベースを参考にした。映画同様に、制作された年の消費者物価指数を乗じて、その当時の金額に換算し直した。

この計算の中には、映画の興行収益や、グッズの売上、テレビドラマの視聴率、CMスポンサーの商品の売上などは、一切含んでいない。その理由は数値を裏付けるデータが不足しているからだ。経済効果NETでは、計算者が恣意的に操作可能な推定値を出来るだけ排除する方針で計算を行っている。つまり誰が計算しても同じ結果になる範囲にしているのだ。

田村正和さんが関与した作品の制作費は、総額で228億6000万円となった。
この金額から、日本国内での需要に絞り込み、営業マージンを剥がし取ったものが、208億300万円。間接効果は144億200万円、二次波及効果は91億4400万円で、最終的な経済波及効果は443億4900万円となった。
田村正和さん-経済効果 (PDF資料)

2021/5/20
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※この経済波及効果は田村正和さんの存在が、経済活動を増加させたわけではありません。映画も、ドラマも田村正和さんが存在しなければ、他の俳優さんが演じていたことでしょう。増加額ではなく、田村正和さんが関与した経済効果で、氏の活動規模を数値化するものです。

 

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