造船資材を広島県内調達、ばら積み貨物の経済効果31億4000万円

産業・ビジネス

世界的な物品の流通が盛んになる中、コンテナによる開運ではなく、梱包されていない穀物・鉱石・セメントなどのばら積み貨物を船倉に入れて輸送するために設計された貨物船「ばら積み貨物船」が増加しつつある。コンテナなどの梱包を必要としないため、トータルのコストは安くなる。また大量に同一品目を運べるため、大規模市場への供給に適する。

広島県では、大型の「ばら積み貨物船」の建造の資材や部品を、ほぼ広島県内で調達出来るように取り組みを続けてきた。その結果2018年12月に海事関係の調査研究などを行う日本海事センター(東京・千代田)は、1隻25億円のばら積み船を広島県内造船所に発注した場合の経済効果が船価の1.26倍の31.4億円になると試算するまでになった。

世界中の市場を見渡せば、もっと安価に資材を調達出来るだろう。しかし、悪天候による遅れや不良があった場合に時間が掛かるなどの問題もある。世界の流通が盛んになることを望みながら、自社では県内で資材調達を可能にする、矛盾した取り組みが続いている。

2018/12/15
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