野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミスト木内登英氏の計算によると、1日の入国外国人の上限を1日5000人に緩和すると、年間で1.6兆円の経済効果があると発表された。
2021年の外国人新規入国者のうち、短期滞在者は全体の47.3%。コロナウイルスの水際対策として1日に入国できる外国人は1500人の上限が設定されたいた。52.7%が長期滞在者を単純計算すると791人、年間で28万8000人を超える。
この28万8000人が、日本の区内で日本人と同様の経済活動をすると仮定している。1日1500人が5000人に緩和されても、長期滞在者が52.7%のままで変動せず、長期滞在者の全員が1年以上、日本国内で経済活動を行うという前提だ。この前提設定に疑問は残るものの、正確なデータが存在しない場合には、計算者の推定値で行うより、このままの計算方法が好ましい。
経済効果は、計算者の推定値が入ると、途端に精度が低くなる。計算者の恣意的な操作が可能になるからだ。経済効果NETでは、計算者の推定値を排除する方針であり、木内登英氏の計算方法に賛成出来る。
日本国内で技能研修生として働く外国人や、留学生などの入国人数が増加することの効果は、1日で44.2億円、1年間で1.6兆円になるという計算だ。日本国内に、新種のウイルスが入ってくるリスクと、経済活動のバランスをどう判断するか、今後も政府には重要な意思決定が求められそうだ。
▷野村総合研究所(WEBサイト)