テレワーク東京だけで 経済効果8兆6千億円(年間)

政策/経済

2012年のロンドンオリンピックの際には、英国政府がテレワークを推し進めた。これはロンドン各地でオリンピックが開催されることで、交通渋滞や公共交通機関の混雑が予想されるためだ。日常業務にオリンピックがマイナスに作用しないための政策と言える。市内約8割の企業がテレワークを導入し、制度の普及が 一気に進んだという経緯がある。

2020年東京でも同様の事が懸念される。国立競技場を中心に交通規制があり、お台場地区には、ほとんど商業車が入って行けなくなるだろう。日本でもロンドン同様に、テレワークが推進されると考えられる。

通勤・通学を併せて東京都へ流入する人口は1日 290.6 万人とされる。神奈川、埼玉、千葉の順で通勤・通学者数は多い。この 290.6 万人のうち1割が通学者数だとみると、通勤人口は残りの約 262 万人となる。ここに、 東京圏への平均通勤時間 1.7 時間(往復 102 分)を乗じると、労働力としての機会損失が計算できる。
もしこの時間が労働に充てらるとすれば、東京都の平均時給(1058円※リクルートジョブリサーチセンター)を使って計算すると、1人1ヶ月37,771円給与が増加することになる。
また東京都の生産力(名目GDP)から、1時間あたりの生産量を算出し、262万人に乗じると、年間で8.6兆円生産力が向上することになる。

通勤に消費している時間がいかに無駄なものか、数字からはハッキリする。しかし同じ空間でスグに声を掛けられる距離で。人が集まって仕事をすることによる効果を数値化することは出来ない。顔を合わせて仕事をする、会議をする、商談をする効果は大きいだろう。ロンドンの様に、「都心の混雑を回避するため」などハッキリした目的が必用だ。日本の文化でどこまで浸透するか、今後の展開が楽しみだ。

第一生命研究所「テレワークの経済効果」(PDFファイル)

2018/11/07
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