プレミアム付商品券等発行による個人消費押し上げ効果は640億円

政策/経済

プレミアム付商品券等発行による個人消費押し上げ効果は640億円
2014年度補正予算に盛り込まれた、地方の消費喚起等を目的とする交付金活用事業が本格的に動き始め、全国地方自治体の約97%がプレミアム付商品券の発行を予定。プレミアム付商品券等の発行による個人消費押し上げ効果は、予算(約2,500億円)の1/4~1/3程度にとどまると試算した。

プレミアム付商品券による個人消費の押し上げ効果は、商品券をきっかけに新たな需要が喚起され、且つその他の消費が減少しない。例えば、普段購入するような食料品や日用品を商品券で支払い、そこで浮いた金額を全て貯蓄に回してしまえば、押し上げ効果はゼロとなる。また、商品券によって一時的に消費が喚起されたとしても、その後の反動減は避けられない。
つまり「需要の先食い分」と「反動減」は、均してみた場合に消費全体を変化させるものではない。かつてプレミアム付商品券を自治体独自に発行した例では、予算の2~5倍もの消費押し上げ効果があったと報告されているが(まち・ひと・しごと創生総合戦略及び地域住民生活等緊急支援のための交付金に関する説明会資料(2015年1月9日)による)、これらの数値には上記のようなマイナス効果が織り込まれておらず、効果が過大に推計されている可能性がある。

みずほ総合研究所の試算では、今回のプレミアム付商品券等発行による個人消費押し上げ効果は640億円程度になるとみられると試算。今回の消費刺激策は、過去の刺激策に比べてそもそもの事業規模が小さいこともあり、大幅な消費押し上げ効果を期待することは難しいと発表した。

みずほ総合研究所レポート(PDFファイル)

2018/11/1
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