クマによる1年間の経済損失51億5500万円(2020年)

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クマ類による1年間の経済損失51億5500万円(2020年)
2021年6月18日の早朝札幌市東区の市街地にクマが出没し、4人が襲われて重軽傷を負った。クマは午前11時すぎに同じ東区内で猟友会によって駆除された。駆除されたクマは、体長がおよそ1メートル60センチで体重は158キロあり、5歳から6歳のオスだった。

近年クマが人の住むエリアに侵入する事件が増加している。農林水産省のデータによると、クマ類による農作物の被害は2013年から毎年増加し、2017年には2万トンに及んだ。2019年からクマ類の捕獲数は急増し、2018まで10年間の平均が3020件であったのに対し6285件に、2020年には7171件と増加の一途を辿っている。人身被害も同様で、2018年まで10年間の平均87人に対し2019年157人、2020年158人と、平均値の2倍近くの人がクマの被害にあっている。

クマの捕獲に掛かった費用、クマによる人身被害を金額化(交通事故による損害額より推定)し、農作物被害(環境省データ)まで含めると、2020年1年間で27億7900万円、一次波及、二次波及まで含めると、51億5500万円という試算になった。(算出:経済効果NET)

2019年からクマの出没が多くなった原因には、クマの生息地域の食物の減少がある。また下草が刈られ、見通しが良い里山は、クマに対する緩衝帯として働いてきたが、農家・林家の減少にともなって、人家への接近が容易になった可能性が考えられる。いずれにしても私達、人間の様式変化が原因であることは間違いなさそうだ。
2021年に環境省によりクマと遭遇した場合のマニュアルが改定された。「死んだふり」などという冗談ではなく、本当の対処方法を知っておいたほうがよさそうだ。

【概要版】クマ類出没対応マニュアル(PDFファイル 726kB)

2021/6/18
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