GPS衛星「みちびき」経済効果2兆円以上(日本国内)

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GPS衛星「みちびき」経済効果2兆円以上(日本国内)
日本版全地球測位システム(GPS)を担う人工衛星「みちびき」の本格運用が2018年11月12日、始まった。一般財団法人、衛星測位利用推進センターによると、日本国内で2025年時点で約2兆4千億円、東南アジア・オセアニアで約2兆3千億円の経済効果があるとはじく。
今まで日本の真上に位置したGPS衛星が無かったため、精度に限界があった。「みちびき」は日本の真上に位置する準天頂衛星システムで、日本版GPSと言える。今までは米国のGPS、欧州のGalileo、ロシアのGLONAS、そして中国の北斗などを補足して位置情報を割り出していた。

日本版GPSを完成させるには衛星数を7つ必要だが、「みちびき」の運用開始によってより具体的になった。自動車のナビゲーションシステムは勿論、スマートフォンなど日常生活に直結したものから、道路交通分野、鉄道分野、農業分野、測量、海洋分野などへの応用が期待される。

内閣府宇宙戦略室によると、トラクターなどの位置情報取得など農業分野で約8800億円、物流や観光による位置情報システム利用で約1400億円、自動車・高密度都市分野で約7800億円、橋梁や高速道路など土木建築関連で約3400億円、防災、見守りなどの分野で約1500億円などが見込まれ、そのほかの分野も含めて約2兆円の経済効果が見込まれている。

日本版GPSは周辺国へのメリットも大きく、アジア・オセアニア地域における経済効果は2025年に2兆3000億円にのぼるという試算もある。

日本版GPSが完成すれば、日本周辺では1cm単位での位置情報が把握出来るようになる。また高さ情報も正確になり、様々な分野での活用が期待されている。

準天頂衛星システムの構築について/内閣府宇宙戦略室(PDFファイル2.3M)

2018/11/12
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