札幌市が月寒グリーンドーム跡地に計画している新たな大規模展示場は、老朽化したアクセスサッポロの後継施設として、都市開発における重要なプロジェクトとして位置づけられている。この施設は、札幌市の大規模イベントやMICE活動の誘致能力を大幅に向上させることを目的としている。
施設は鉄骨造の地上2階建てで、建築面積は約24,000平方メートル 、敷地面積は約28,000平方メートル。中心となる展示ホールは約15,000平方メートルの広さを持ち、これはアクセスサッポロの約3倍の規模に相当する。この広大なホールは、可動式の壁によって最大7つの独立した区画に分割可能であり、これにより多様なイベントを同時に開催できる柔軟性を備える。総工費は約222億円と見積もられている。
このプロジェクトは、札幌市により年間約508億円の経済波及効果を生み出すと公式に試算された。この多大な数字は、展示会を起点とした新たなビジネスの創出、宿泊、飲食、交通といった関連産業への広範な波及効果に対する市の戦略的なコミットメントを明確に示している 。この経済効果の主要な根拠は、札幌市が2024年5月に発表した「新展示場整備事業に関する資料」にある。この資料は、夢メッセみやぎやマリンメッセ福岡といった他の主要展示施設のデータ、および国際会議協会(ICCA)の2024年の統計データも参照して策定された。