「佐渡島の金山」世界文化遺産登録されれば、経済効果約520億
2010年、「佐渡島の金山」が世界遺産暫定一覧表に記載されて以来佐渡島では取り組みを続けてた。コロナ禍の影響で登録は早くても2023年度以降にずれ込むこと考えられるが、佐渡市では取り組みが続けられている。世界遺産に登録されれば、佐渡市への経済波及効果は、約520億円になる。2019年での経済波及効果は約379億円であったため、150億円ほどの効果増加が見込めそうだ。
佐渡市の人口は減少を続けており1960年代には11万人いた人口は2015年に5万7000人まで減少。このまま減少を続けると多くの問題が発生する危険性がある。佐渡市の財政料指数も新潟県平均が0.5であるのに対し0.23と市内での産業が縮小し収入と支出のバランスが崩れている。生活インフラや学校教育、福祉などへの人的資源などが不十分になると考えられる。
この危機的状況で、佐渡の金山が世界遺産登録されることは大きい。
2020年に発表された「2019年度 佐渡観光データ調査分析業務報告書」によると、佐渡市の来訪者数は1991年の123万人がピークであり、2019年はピーク時の半数以下である41.8万人に減少した。観光資源はあるものの、宿泊施設などの老朽化が目立つこと、船で移動することによる時間的な問題などがあり、ツアーコースから除外される傾向にあった。
佐渡の金山は、日本人だけでなく訪日外国人に対しても、魅力的な観光資源であり、世界中から観光客を集める事が期待されている。
富岡製糸場は2014年に世界文化遺産登録をされて31万5000人から、133万8000人に急増。石見銅山は2007年に世界文化遺産登録をされて40万人から81万人まで増加している。
日本政策銀行は、2021年7月に「佐渡島の金山」世界文化遺産登録を契機とした地域価値の向上に関する調査報告書」において、「佐渡島の金山」が世界文化遺産に登録された1年後に期待される、佐渡市への経済波及効果を、佐渡市の産業連関表(2016年版)を用いて試算した結果、生産誘発額からみた直接効果は市内自給率を勘案して約310億円、直接効果に一次間接波及効果と二次間接波及効果を加えた総合効果は 約520億円となった。と発表した。
▷佐渡島の金山」世界文化遺産登録を契機とした地域価値の向上に関する調査報告書(PDFファイル7.5MB)