訪日外国人消費4兆4162億、経済効果は9兆8000億円(2017年)
観光庁は2017年の外国人旅行者消費額総額が、前年比17.8%増の4兆4162億円となったと発表した。
旅行消費額は、中国から1超6947億円、台湾の5744億円、韓国の5126億円となった。1人1回あたりの旅行費用は、中国に次いでオーストラリア、英国、スペインと続き、上位10にアジア諸国は、中国とベトナムの2カ国だった。その消費内容は、買い物代が37.3%と最も多く、「爆買」現象が消費額を押し上げているようだ。自由貿易協定などで通信販売が活発になれば、日本を訪れる中国からの観光客が減少する可能性もある。
訪日外国人が訪れた都道府県で消費した金額の集計では、3位に高知県、4位に鹿児島県、5位に埼玉県が入り、国内観光とは異なる結果となった。海外へ向けた情報発信をどの程度積極的に行っているかが重要であり、観光目的で訪日する欧米向けの言語(スペイン、フランス、ロシア、イタリア)への対応も重要だ。
消費額4兆4162億円をもとに、一次波及効果、二次波及効果を加えた経済波及効果は、9兆8000億円近くになった(経済効果NET試算)。
2017年度の訪日外国人数は2869万人だったが、政府は2020年には4,000万人、2030年には6,000万人という目標を掲げている。政府の目論見通りに成長すれば、少子高齢化が進む日本の構造的問題を緩和する1つの選択肢になりそうだ。
▷観光庁訪日外国人消費動向調査2017(PDFファイル930KB)