大阪・関西万博ー経済波及効果は最終推計で3兆5,121億円に。建設費高騰で事前の予測値を大幅上振れ

国際会議・展示会

アジア太平洋研究所(APIR)は、大阪・関西万博(2025年日本国際博覧会)の開催に伴う経済波及効果の最終推計を発表した。総額は3兆5,121億円に達し、開幕前の2024年試算の最大額(3兆3,667億円)や、2025年末時点の試算(3兆541億円)を大きく上回る結果となった。円安や世界的な資材高騰に伴う会場建設費の上昇といった最新の実績値が反映された形だ。

■ 経済効果 算出サマリー

  • 対象事業:2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)

  • 主催/調査発表:アジア太平洋研究所(APIR)

  • 経済波及効果(総額)3兆5,121億円

【主な内訳と要因分析】

  1. 万博関連事業費:1兆8,683億円 パビリオンや会場施設などの建設費実績。インフレや資材高騰の影響を受け、2024年の開幕前試算から約3割増加。全体の経済波及効果を大きく押し上げる主因となった。

  2. 来場者消費額:1兆6,439億円 会期後半の駆け込み需要や、公式ライセンス商品(ミャクミャクグッズ等)の好調、物価高による消費単価上昇が寄与。2025年12月時点の予測値を維持する底堅い推移を見せた。

■ 地域別の波及効果とシェア

府県別のデータからは、効果が特定の地域に集中する「一極集中」の傾向が浮き彫りとなった。

  • 大阪府:2兆1,589億円(全体シェア:61.5%

  • 京都府:2,027億円(全体シェア:5.8%)

  • 兵庫県:1,577億円(全体シェア:4.5%)

■ 経済効果.NET 考察と今後の課題

今回の最終推計では、建設費の膨張というコスト面の上振れが結果的に総額を大きく引き上げる要因となった。しかし、その恩恵の6割以上が開催地である大阪府に集中しており、周辺府県(京都・兵庫など)への観光周遊や「拡張万博」としての経済分散効果は限定的であったと研究所は分析している。

総額としての経済効果は巨額に上ったものの、今後はこの万博のレガシー(遺産)をインバウンドの定着や広域観光の強化にどう繋げ、関西圏全体、ひいては日本経済の持続的な成長へ波及させていくかが中長期的な真の課題となる。

関連記事

特集記事

TOP