新型コロナウイルスの感染拡大により、世界中の教育システムが停止し、16億人以上の学生や教育を受けるべき人が教育を受ける機会を失った。世界のほぼ全ての国の学生が、オンライン授業に変わったが、その内容は脆弱だった。日本のある大学では、既存の問題集を課題として学生に実施させるだけで単位を出すという授業内容に父兄が抗議した事例もある。教育の質は明らかに低下した。教師は生徒が理解したか否か、オンラインでは確認が出来ず、指導要綱を終わらせることを優先した。2022年3月まで日本国内の多くの大学ではコロナ前の環境に戻していない。
かつて日本には、「ゆとり教育」が実施されたが、国際学力テストで順位を落としたことなどから学力低下が鮮明になり、2013年までに廃止されたが、この世代を「ゆとり世代」と呼び、企業就職後に批判的に使われる事があった。
世界銀行は、告書「世界的な教育危機」の中で、2021年12月までに教育機会の損失と、オンライン授業による質の低下により、現在価値で17兆ドルの生涯年収を失う可能性があり、これは現在の世界GDPの約14%に相当すると発表した。
また、低・中所得国における「学習貧困」状態にある子供の割合は、パンデミック前すでに53%に達していたが、長期間の学校閉鎖や、学校閉鎖期間の教育の継続性を確保するための遠隔学習が効果的でなかったことを考慮すると、70%に達する可能性がある。と伝えた
▷「世界的な教育危機:回復への道のり(The State of the Global Education Crisis: A Path to Recovery)」