プロ野球春季キャンプ 経済効果激減(沖縄県)

レポート

2月1日からプロ野球各球団は一斉に春キャンプを開始した。緩急事態宣言中の実施となり、様々な工夫の中練習が開始された。沖縄県は、緊急事態宣言対象外だが、他府県への移動自粛が呼びかけられている中、キャンプはいくつも感染予防対策がされている。
無観客で実施、選手が使う施設は換気や消毒を徹底
一部球団はキャンお家変更や分散開催
セレモニー、パレードの中止、選手および球団関係者は週に1〜2回PCR検査を実施
選手らの外食を禁止
などの措置を講じて行っている。その結果、沖縄県外からプロ野球キャンプ観戦に訪れる観光客は絶望的になり、沖縄県民も紅白戦やオープン戦などの観戦に行くことが難しくなりそうだ。
沖縄で開催されるプロ野球の春キャンプは、沖縄県に大きな経済効果をもたらして来た。2019年には141億円を超すまでに成長してきた。新型コロナウイルスの影響により2020年は121億円に減少。2021年は大幅な減少が見込まれる。
nullプロ野球春季キャンプ経済効果
プロ野球の沖縄キャンプに関する経済効果は「りゅうぎん総合研究所」が毎年7月頃に発表しており、実測値を基に算出していることで、非常に信憑性の高いデータとなっている。
経済効果NETでは、過去のデータを基に2021年緊急事態宣言下のプロ野球の沖縄キャンプにおける経済効果を予想してみた。

2020年は、のべ観客数35万4000人うち県外観客数は8万3000人だった、この観客の消費額は大きく変動するだろう。
県外からの観客は「0」県内の観客数は10%に減少すると仮定した。またキャンプ関連支出額(りゅうぎん)にクリーニング代、アルバイトへの支払いなどが含まれていることから、球団と関係者による消費も含まれていると考えられる。プロ野球の支配下選手は70人、コーチとフロントスタッフは1チーム50人前後とすると、1球団120人となる。2020年沖縄でキャンプを実施したのは9球団、球団関係者1080人が2月の間28日間長期滞在する。
こういった条件設定を行い、りゅうぎんの算出方法に沿って計算すると2021年のプロ野球沖縄キャンプにおける経済効果は昨年の121億円から90億円近く減少し、30億円程度まで減少しそうだ。


プロ野球キャンプ経済効果
プロ野球球団は春季キャンプを収入源と捉えている球団は少ない。そのため、集客や地域への経済効果より、選手関係者の感染予防やチームの戦力充実に重きを置いている。各球団ともキャンプ地への感謝も配慮も失ったわけではないが、コロナ禍にあっては、どうにも打つ手がなくジレンマを抱えていることだろう。

りゅうぎん総合研究所による詳細資料(PDF)
「沖縄県内における2020年プロ野球春季キャンプの経済効果」
「沖縄県内における2019年プロ野球春季キャンプの経済効果」

関連記事

特集記事

TOP