スペイン「牛追い祭り」経済効果約1889.45億円

レジャー・観光

2025年7月6日より14日にかけて、スペインのナバーラ州パンプローナで行われた、「牛追い祭り」として日本では知られているFiesta de San Fermín(サン・フェルミン祭)は来訪者数は160万人を集め、収集可能なデータに基づき経済効果.NETが独自算出した結果、経済波及効果は 約1889.45億円となった。
Fiesta de San Fermín(サン・フェルミン祭)は「牛追い祭り」として日本では知られているが、その他にも、花火大会、大頭の人形パレードなども行われており、数日間に渡った伝統的なお祭りだ。
牛を闘牛場まで追い込んだ後には、伝統的な闘牛も開催されている。
お祭り会場内では、コンサートも開かれており、コンサート観覧者は16.6万人と、大規模な音楽フェスに匹敵する。

運営費用は19500万ユーロで、花火大会費用、子供向けの企画、闘牛フェアに関する費用が含まれている。具体的には闘牛フェアに400万ユーロ、打ち上げ花火に24000ユーロが計上されている。
お祭りにスポンサーという表現は、日本ではしっくり来ないが、盆踊りでも商店や銀行の名前が書かれた「提灯」が下がっている。同様にFiesta de San Fermínにもスポンサー収入があり、215000ユーロだったと報じられている。金額から考えても、大企業ではなく、地元からの「花代」に近いものと考えられる。
スペイン在住者による国内旅行における 1人あたり平均支出は約 321.60ユーロ という推計値が発表されている。また、EU域からの観光客がスペイン国内で消費する金額は1人あたり289ユーロとやや少なめになる。EU圏以外からの観光客の消費額は1人あたり1013ユーロという統計データがある。英国がEU離脱し海外扱いになったことや、ニューヨークなどアメリカ東海岸からの距離が近いことも関係しているだろう。
次に、スペインに訪れる観光客のうち、どの程度の人数がスペイン国民で、EU圏内で、海外からなのか、情報が必要だ。
EU圏外からスペインを訪れる観光客比率は、約7.2%
EU圏内からスペインを訪れる観光客比率は、約20.2%
スペイン国民で、国内旅行観光客比率は、約72.8%

Fiesta de San Fermínに関して、どの地域からの観光客が来たか、詳しいデータが存在しないため、このスペイン観光の統計データをそのまま適用し、経済効果を計算する。

これらの消費金額に、波及効果を加算すると、約1889.45億円となった。パンプローナ市では、Fiesta de San Fermínの経済効果を、より正確に確認するために、お祭り期間中のアンケート調査、宿泊施設での調査など、専門家を投入することが議会で可決されている。Fiesta de San Fermínの運営費用は、市から拠出されているために、市民である納税者に説明する責任があるのだろう。

経済効果.NETでも、行政からの計算依頼がある。最も重宝されるのは、税収効果を算出する点だ。お祭りなどで市内の消費が増加すれば、消費税も観光税もたばこ税も、酒類税も増加する。これらを正確に計算すると、お祭りの運営費を越えることが少なくないのだ。


経済効果.NET 2025/08/12

関連記事

特集記事

TOP