東九州新幹線 福岡県への経済波及効果 年間699億円

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福岡市を起点とし、大分市付近、宮崎市付近を経由して鹿児島市までを結ぶ「東九州新幹線」。1973年に「基本計画路線」として決定されながら、半世紀を経た現在も着工の見通しは立たず、開業時期も未定のままとなっている。そうしたなか、福岡県空港・交通政策局交通政策課は2026年3月、入込客数の増加による経済効果を 年間699億円と試算した。

東九州新幹線の整備に向けた機運を醸成することを目的として、新幹線整備および開業がもたらす経済波及効果の調査結果を公表した。今回試算されたのは、福岡県への来訪者増加に限定した県内への経済効果である。

新幹線開業により県内に新規発生する最終需要(直接効果)は455億円/年、間接効果まで含めた経済波及効果は699億円/年と試算された。直接効果に対する効果倍率は1.54倍。新幹線開業後の入込客純増数は、福岡県内の宿泊客が年間106万人、日帰り客が年間442万人増加すると推定している。

東九州新幹線が開業すれば、最短で約4時間5分(在来線特急のみの場合は約5時間40分〜6時間)かかっていた福岡ー宮崎間が半分程度に短縮される見込みで、日帰り圏が大きく広がる。観光面では、博多 → 別府・湯布院 → 宮崎 → 霧島 → 鹿児島といった“周遊型”の動線が生まれ、観光客数だけでなく宿泊日数や消費額の増加が期待される。

経済波及効果は観光分野にとどまらない。工場、支店、営業所、大学、病院などが福岡側・鹿児島側の双方と結びつきやすくなり、企業活動の効率化が進む。高度医療を担う都市部の病院、大学、専門学校、資格試験会場などへのアクセスも向上し、高齢化が進む地域では広域医療の選択肢が増える。

さらに、現在の九州の高速鉄道の主軸は西側(九州新幹線)に集中しており、東側にも幹線が整備されることで九州の南北交通が二重化される。災害時の代替ルートとして機能する点でも、国土強靱化の考え方に合致する。

九州全域の一体的な浮揚・発展や広域観光の振興に不可欠な基幹交通インフラとして、東九州新幹線の早期整備が期待されている。

東九州新幹線の福岡県内における経済波及効果調査の結果について(福岡県)


経済効果.NET 2026/04/30

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