ニューヨークシティ・マラソンの経済効果は、コロナ禍前の2019年のデータが現在でも、もっとも信頼性が高い全体的な数値とされている。スポンサーとなった、マスターカード経済研究所が「イベントフル・エコノミー」シリーズで継続的に探求している「大規模イベントと経済動向の交差点」の一環として試算し、約4.3億ドル およそ645億円と報じられている。
このマラソンには通常、5万人以上のランナー、1万1千人のボランティア、そして100万人以上の観衆が集まる。経済効果には宿泊業、飲食、小売、観光、税収など広範な分野に及ぶ波及効果も含まれている。Mastercard はさらに、2023年のレース当日の地域経済への影響を分析。沿道の個人経営店(レストランやバーなど)で最大で 40% の消費増加が観測されたと報告された。ランナーや観客のアンケートを行うのではなく、マラソン開催がなかった場合の消費動向を推定するシナリオを構築。高頻度・匿名化されたマスターカードの取引データを活用し、マラソンに直接起因する消費増加分を試算するという、カード会社にしか出来ない手法で算出している。
近年の消費動向では、観客や支持者による沿道店舗への支出が最大 40% 増加という具体的な短期効果が確認されている。
第53回 ニューヨークシティ・マラソン(2024年11月3日開催)は、世界最大のランニングイベントの一つとして注目されました。史上最多となる55,646人が完走し、大会史上最大規模となった。
男子ではオランダのアブディ・ナジーイェ(Abdi Nageeye)が 2時間07分39秒で初優勝し、2022年チャンピオンのエバンス・チェベット(Evans Chebet)をわずか6秒差で抑えました。一方、女子はケニアのシーラ・チェプキルイ(Sheila Chepkirui)が 2時間24分35秒で初出場ながら優勝。Hellen ObiriやVivian Cheruiyotらベテラン勢を抑え、ケニア勢による表彰台独占となった。
この大会は、ニューヨーク市の5つの区(スタテンアイランド、ブルックリン、クイーンズ、ブロンクス、マンハッタン)を巡る壮大なコースで行われ、世界マラソン6大大会の最終戦として高い注目を集めました 。コースの多様な景観と熱狂的な沿道の応援が、選手たちの闘志を引き立てる舞台といえる。