ウィンブルドン選手権2025 経済波及効果 約1,337億9,000万円

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イギリス・ロンドンで予選:6月23日(月)~6月26日(木)本戦:6月30日(月)~7月13日(日)の14日間にわたり開催されたウィンブルドン選手権(The Championships, Wimbledon)英国全体の経済活動は£4億3,400万と推計され、そのうち約£2億7,900万がロンドンで発生したと推計されている。しかしこれは大会運営費だけであったため、経済効果.NETで、来場者の観光消費と波及効果を加え試算した結果約1,337億9,058万円となった。

2025年には、ウィンブルドン選手権会場の拡張が高等裁判所により正式に認められました。これにより、現敷地がほぼ3倍の規模になり、新たに39面のコート(うち8,000席のショーコートを含む)が加わった。この拡張プロジェクトには、公共空間の創出(23エーカーの公園化、ボートハウスの整備など)とともに地域への還元も意図されている。
2025年には、記録的な来場者数を更新し、548,770人 が通算でゲートを通過した。2024年大会の期間中の総来場者数は 526,455人 だった。また、1日あたりの最多来場者数(Day 12)は 33,489人 に達した。推定ではチケット売上が約 7,000 万ドルと報じられており、全体収入(約 4.4 億ドル)の 16% に相当する。

ウィンブルドンでは定期的に「デベンチャー」と呼ばれる社債形式のチケット(Centre Court や No. 1 Court の保証席)を販売し、5年間に渡って毎日観戦できる権利を提供している。センターコートの高額席はもちろん、ラウンジやレストランへのVIPアクセスも可能なチケットだ。2026–2030 年期間分として、センターコートのデベンチャー 2,520 枚を各 £116,000(約 14 万ユーロ)で販売し、総額 £2.92 億ポンド(約 3.6 億ユーロ)を調達した。
興味深いことに、この「デベンチャー」は転売することが許可されており、購入者のは平均75%の利益を得ており、投資対象として非常に高い人気がある。
ウィンブルドンショップでは、2週間の期間中に過去最高の店舗内とオンライン販売を記録し、666,546点が販売された。この期間中に10万点を超えるベースボールキャップが販売され、約2万5,000個の使用済みテニスボールが販売され、ウィンブルドン財団に寄付されている。グッズおよび飲食の売上は、ウィンブルドン収入の中でも最も小さいカテゴリですが、それでも大会全体収入の約 12%を占めており、金額に換算すると、約 5,500 万ドル以上と見積もられている。

ウィンブルドンの放映権収入は2023年のケースで全体収入の55%の(約 2.76億ドル)、2024年には全体収入約4.71億ユーロの約半分と報道されている。2025年の全体収入 約4.4億ドルと公開されているので、約2億から2.5億ドルに該当すると思われる。
スポンサー収入は、全体収入の16%と過去に公表されており、大きな違いは無いと、英国メディアが報じている。単純計算をすると、約7000万ドルに相当すると考えていいだろう。ウィンブルドンのスポンサー構成は、ロレックス、スラゼンジャー、エミレーツなどの長期的・高価値な関係が中心であり、ブランドの質と安定性が高いことが特徴となっている。

2024年の大会によって生み出された英国国内の経済活動は4億3,400万ポンドと推計され、そのうち2億7,900万ポンドはロンドン経済に貢献したと報告されている。というデータは、ウインブルドン大会の。収入に関する事柄ばかりで、観戦する観客による会場外での、宿泊・旅費などは含まれていないと考えられる。また他の専業に拡がる波及効果も加えられていない。よって他のイベントと単純比較するには、不適切なデータだ。そこで経済効果.NETでは、標準的な数値に合わせ、来場者消費額と波及効果をプラスしてみようと思う。

観光統計によると、イギリス国民の国内宿泊旅行は1泊あたり約 £107。海外からの観光客1人あたりの消費額は、1泊あたり約 £106だった。2025年の来場者 約55万人が1泊したと仮定した「観客消費額」と「大会運営費」を加算し、波及効果を計算すると、9億1000万€となり、日本円で約1,337億9,058万円(1ユーロ=147円換算)となる。参考データとして他のイベントと比較する際には、こちらの数字が役に立つかもしれない。

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