イギリスへのサッカー観戦観光客 年間経済効果3855億6000万円

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英国の観光データを集計しているVisitBritain Researchが、2021年10月にサッカー観戦を目的に英国を訪問した観光客についての統計データをまとめた。

公開された内容によると、サッカー観戦に訪れた旅行者は1人平均で10泊し、909ポンドを消費している、一般的な観光客の平均は3泊696ポンドであることと比較すると、サッカー観戦を目的とする観光客は、優良顧客と言える。

英国ではサッカーが最も人気だが、次いでクリケット、ラグビー、テニスとなっている。サッカー目的の観光客150万人に対し、クリケット22万人、ラグビー20万人、テニス16万人と、サッカーだけ飛び抜けている状況だ。しかし、観光客1人あたりの消費額は、ゴルフ観戦客が最も多く2100ポンド、クリケット1550ポンド、競馬1514ポンド、テニス1316ポンド、マラソン(参加者含む)1065ポンド、そしてサッカーの909ポンドだった。英国においてかつてサッカーは貧者のスポーツだった。労働者階級を中心として人気があり、貴族はテニスやゴルフに興じたものだった。その名残が現代にも残っているのかもしれない。

サッカー観戦客は25-34歳が多く83%が男性で、ドイツから17%、アメリカから16%、フランスから13%、ノルウエイから11%と続いている。この報告書に日本からのサッカー観戦客数は記載されていない。消費額になるとカタールからの観光客が最も多くの金額を英国内で消費し、総額は1億1800万ポンド、アメリカが1億1500万ポンド、中国が1億800万ポンドと、国家の経済力が反映されていることがわかる。

この報告書にあった、サッカー観戦を伴った観光客の消費総額を円に換算し(1ポンド153円)観光業の一般的な波及効果を加算した。経済効果NETの試算によると、3855億6000万円が、サッカー観戦旅行客による年間の経済波及効果となる。
英国にとって、サッカーは、外貨獲得の為の重要な観光資源となっている。日本はCOOL JAPANと世界で評価されており、アニメーションなどのコンテンツが世界に通用するが、まだ観光に結びついている例は少ない。コロナ収束後どのような戦略で観光立国を推進してゆくのか、政府の舵取りを注目したい。

Football Tourism in the UK(PDFファイル8.7MB)

経済効果NET 2021/11/23
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