アップルストア取引額70兆円 経済波及効果では147兆円以上
2021年6月2日アップル社は、2020年1年間にアップルストアで購入されたアプリや、そのアプリ内で決算された総額が前年比24%増加し$643 billion(約70兆円)に達したと発表した。
アップルストアにアプリを提供している企業の90%は、いわゆる中小企業で、アプリのダウンロード数100万未満、年間収益100万ドル(約1億1000万円)未満だった。この現象はパンデミックの中、世界中の起業家へ開かれた、革新的でウイルスに屈しない市場を提供したことになる。世界の主要都市がロックダウンにより行動が変化したことに、迅速に対応したアプリが急伸している。そして、家に閉じこもった人々に、食料品から、親や教育者向けの教育ツール、ゲームやエンターテインメントの想像力に富んだ、拡大を続ける宇宙まで、さまざまな方法で人生を変えてみせた。
アップル社のCEOテイム・クック氏は、「アップルストアの成果は、今後何年にもわたって世界経済に力を与えるのは計り知れないイノベーションです。」と述べた。アップルストアでデジタル商品やサービスを販売する小規模開発者の4 社に1社以上が、過去5年間で毎年平均 25% 以上の収益を伸ばしている。また小規模な開発者の80% 近くが、複数の国でアプリを提供し、平均40カ国以上のユーザーから収益を得ている。
アップルストアは世界共通のデジタルプラットフォームであるため、世界中の消費者に向けて、簡単にサービスを開始出来る。アプリと同価格帯である数百円の、「味の素」や、「キッコーマン」が世界にセールス網を拡げたことは、既に伝説的な成功事例となっている。2020年アップルストアは、それと同じことを、わずか数人の企業で実施することを可能にした。
これらのデータを基に経済効果NETで、波及効果を計算した。
アプルストア経由で取引された約70兆円に、一次波及効果46.5兆円、二次波及効果31兆円を加えた経済波及効果は、約147兆円になる。
世界全体を対象としているため「自給率」(域内での経済活動への絞り込み)が不要なことと、アプリ開発には、物理的な製造原価が少ないことがあり、波及効果が大きくなっている。2020年にアプルストア経由で取引された約70兆円によって生み出された雇用所得(支払われた給与)は54.1兆円と驚異的な金額となった。
アップルストアの成長は、起業家の夢を実現することが出来る。肌の色も言語も関係なく、世界に向けてビジネスを開始することが可能だ。Apple社の発表では小規模開発者の4 社に1社以上が成功している、裏を返せば4社に3社は成功していないと言える。世界に開かれたビジネスで成功した者と、挑戦せずに現状にしがみついている者の格差はより拡大する危険性も孕んでいる。
▷Apple Newsroom(英文)