カジノ解禁による社会的コスト 1年間で1兆4215億円

レジャー・観光

日本ではIR事業への参入を視野に様々な議論が行われているが、ギャンブル依存症への懸念が消えない。その理由は、世界のカジノ先進地でギャンブル依存症の問題が大きく社会問題になっているからだ。海外からの観光客を集める目的の、カジノ施設に自国民利用者が依存症となる事例が後を絶たない。ラスベガスがあるネバダ州の依存症率は約6%で全米平均の2倍あり、シンガポールでは、自国民のカジノへの入場は高額の入場料を設定し、気軽に利用出来ないハードルを設けている。

英国バーミンガム大学、代謝システム研究所名誉医学部長のアンソニー・バーネット氏によって書かれた「ギャンブルの社会的費用:経済的展望」(The Social Costs of Gambling: An Economic Perspective)によると、重症のギャンブル依存症1人に費やされる社会保証額は、年間113万円とされている。

日本でカジノが解禁になり、アメリカの1/3にあたる1%がギャンブル深刻な依存症になったら、1年間で1兆4215億円の社会的コストが増加すると、経済効果NETでは試算した。金額だけではなく、ギャンブル依存症で多くの人の暮らしにダメージを与えることも忘れてはならない。

ギャンブルの社会的費用:経済的観点(英文PDF)

2018/8/29
経済効果NET

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