長野県諏訪地域 映画ロケによる 経済効果7000万円以上

レジャー・観光

長野県諏訪地域は、映画やアニメの舞台として頻繁に選ばれており、その撮影誘致が地域に年間7000万円以上の経済効果をもたらしています。

諏訪地域は、柚月裕子原作の映画『盤上の向日葵』(2024年公開)の主要な舞台地となりました。この地が選ばれる背景には、地域の持つ歴史、文化、そして豊かな自然景観があります。
【歴史的景観】
江戸時代の交通の要衝であった旧甲州街道沿いには、信州味噌の産地として知られるタケヤ味噌の工場や、日本酒の宮坂醸造などの古い酒蔵が並び、風情ある景観を提供しています。『盤上の向日葵』の重要なシーンはタケヤ味噌の敷地内で撮影されました。

【温泉と歴史的建造物】
湯量豊富な上諏訪温泉にある片倉館(国の重要文化財)は、大正ロマンを感じさせる「千人風呂」や大広間が特徴的で、『盤上の向日葵』の名シーンや、映画『テルマエ・ロマエⅡ』のロケ地にもなっています。

【自然景観】
東山魁夷の絵画モチーフとなった御射鹿池や、季節ごとに表情を変える諏訪湖は、数々の作品で登場し、物語の心情を彩る背景となっています。諏訪湖畔の諏訪湖間欠泉センターには、これまでの撮影に関する常設展が設けられています。

諏訪地域の6つの市町村が連携して運営する「諏訪圏フィルムコミッション」は、円滑な撮影環境を整備することで多くの作品誘致に成功しています。その結果、年によって変動はあるものの、2019年には7000万円を超える経済効果を地域にもたらしました。

特に、世界的ヒットとなった是枝裕和監督の映画『怪物』(2023年公開)では、韓国での人気が高いことから公開時に多くの韓国人観光客が「聖地巡礼」に訪れました。さらに、『盤上の向日葵』主演の坂口健太郎さんの人気も相まって、地元の観光協会は再び韓国からの観光客による賑わいを期待しています。

また、アニメーション映画『君の名は。』(2016年)に登場する「糸守町」の風景に似ていると話題になった立石公園など、国際的な注目を集める聖地もあり、外国人を含む多くのファンが訪れ、地域経済に貢献しています。

歴史や自然、そして地元の熱意が一体となり、諏訪地域はロケ地としての魅力を高め、持続的な観光客誘致と地域振興を実現しています。

映画『盤上の向日葵』の撮影地が「最近、国際的に注目されている」ワケ(東洋経済)

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