3月3日(日) 東京マラソン 2024 が、36,965 人の参加者を迎えて開催された。
主催者の発表によると、邦人の参加者 23,408 人、外国人の参加者 13,557人。新宿の東京都庁前を出発して東京駅前までのコースで実施された。沿道に集まった観衆は 102 万人(主催者発表)で、運営ボランティアは約 10,000 人になった。
東京マラソン財団では、ランナーへの事後アンケートを実施し、東京マラソン参加の為に関東圏に滞在した日数、大会参加準備のための新規購入したスポーツ用品の金額などを一次データとして獲得。また東京マラソン財団から、詳細な事業費用を開示いただくことで、推定値を極力排除し、実測値ベースの経済波及効果を経済効果.NETで算出した。
実施以前に計算される、経済波及効果は、推定値もしくは、過去の測定値をもとに計算されているため、実態と異なることが少なくない。そのため経済波及効果自体の信頼を損ねていることがあるが、本件の経済波及効果は、曖昧な数値、計算者の推定値を排除した。沿道の応援者は、マラソン大会参加者が同行者を連れてくる例もある。しかし、正確なデータが存在しないため、全員を関東1都6県からの日帰りとして計算した。1都6県の比率はランナーのデータに準拠した。
その結果、直接消費額は 250億 9600万円となり、一次および二次波及効果まで含めると、全国で 526億 900万円。東京都に限定しても、375億 7700万円という経済波及効果になった。(経済効果.NET算出)
東京マラソン 2024 を開催するための事業費予算が約 36 億円であることを基準とすると、全国の経済波及効果は 14.49 倍、東京都内の経済波及効果は 10.35 倍と、経済に効率的な刺激となった。
日本人・外国人を合算した 1 人あたりの消費額の平均は、15万 1122 円となり、うち 5万 334円が、大会出場のためにスポーツ用品、旅行用品などの購入を行っている。東京都内の消費だけではなく、日本各地での消費にも寄与している。
税収効果に関しては、東京都で 43億 4600万円が、開催後 1 年程度で回収出来、東京都が本大会に助成金などを拠出している価値は充分にある。
全国各地で多くのマラソン大会が開催されており、開催地自治体が助成金を拠出している例が多い。大会自体の収支がマイナスの場合でも、ランナー消費などにより地域経済への刺激となり、ひいては税収効果となる、近視眼的な評価をせずに、経済波及効果の専門家などに確認をするべきだ。
※宿泊費・飲食費などは、東京都の「東京都観光データカタログ(2022)」を使用。
※ランナー交通費は、居住地区県庁所在地から東京マラソンスタート地(東京都庁)までの公共交通機関を計算に使用。