大坂なおみ 年間所得およそ41億円 女性アスリート最高
大坂なおみは、2020年FORBES(アメリカの経済誌)の統計によると、女性アスリートとして最も高い金額を得ている。女性として過去最高の 3,740万ドル(約41億円)を稼いでおり、それまでは、2015年マリア・シャラポワの2,970万ドルが最高記録だった。
興味深いのは、大阪なおみの収入の内訳だ。テニス大会の賞金など、コートで稼ぎ出す額は340万ドルだが、CM出演などタレントとしての収入が3400万ドルと、10倍あることだ。
大坂なおみがフレンチ・オープンの記者会見をキャンセルしたことは、スポンサーにとっても喜ばしくないことだろう。記者会見にはスポンサーのロゴが入った、スポーツウエアで出席しているからだ。GAMEは勿論だが、記者会見の様子がメディアで取り上げられる事も、スポンサーにとっては重要だろう。
GAMEの後で、不躾な質問をするメディアに問題はあるが、「報道の自由」という伝家の宝刀を抜かれてしまうと、反論できなくなる。つまり、大阪なおみが嫌がる質問をする権利は、メディアに保証されているわけだ。
大坂なおみのタレント収入が大きくなったことは、彼女が日本国籍を選択したことが影響している。
日本人の母と、ハイチ系アメリカ人の父を持つ大坂は、日本で生まれ、3歳の時に家族でアメリカへ移住している。現在の日本の国籍法では、大坂のように二重国籍の場合、22歳に達するまでにいずれかの国籍を選択しなければならない。そのため、2019年10月に22歳の誕生日を迎える大坂の国籍選択が注目されていた。大坂なおみは、東京オリンピックへ日本人選手として出場するため、日本国籍を選択したと、報じられている。
その結果オリンピックの広告塔としての価値が向上した。日本国籍でアメリカ育ち、肌の色は濃く、様々なバックグラウンドがあり、彼女に共感する市場が大きいのだ。かつて女性アスリートの稼ぎガシラだったマリア・シャラポワは、モデルもこなす美形でスタイルも申し分なかった。ロシア生まれで6歳からアメリカでテニス修行をしていた。しかしテニスで成功した後のシャラポワにはセレブ感が強く、庶民が応援したくなる要素は少なかった。そのためシャラポワのスポンサーも、富裕層向けの製品を扱うメーカーが多かった。
大坂なおみは、カップヌードルの日清食品、ウイダーinゼリーの森永製菓など、消費財のスポンサーもついた。また日本国籍になったことで日本企業と、日本市場を狙う米国企業の両方が興味を持つ結果となった。
今回の、休養宣言でオリンピックへの出場は不確実になったが、大坂なおみの活躍に期待していた関係者は少なくないだろう。一刻も早く問題を解決させ、勇姿を見たいものだ。