東京都が2025年10月15日に発表した「2024年訪都旅行者数等の実態調査結果(経済波及効果)」によると、2024年における訪都旅行者による経済波及効果は18兆円超を記録し、これは過去最高を大幅に更新する結果となりました。この驚異的な伸びは、主に外国在住者(インバウンド)の消費拡大によって牽引されています。
経済波及効果の内訳
経済波及効果の合計額(18兆円超)を旅行者の居住地別に見ると、以下の通りです。
・外国在住者(外国人旅行者): 約7兆7,468億円
・道府県在住者(国内旅行者): 約6兆5,228億円
・都内在住者: 約4兆2,146億円
特に外国在住者による経済波及効果は、コロナ禍前の2019年と比較して211.3%増と、突出した伸び率を示しました。これは、円安の進行や、コロナ禍からの本格的な観光需要回復が相まって、外国人旅行者の滞在期間の長期化と一人当たり消費額の大幅な増加に直結した結果と分析されます。
旅行者総数を見ると、外国在住者(外国人旅行者)の増加が際立っています。
・外国人旅行者数: 2024年の四半期ベースで過去最高を記録するなど、高い水準で推移しました。
・本人旅行者数: 前年比で微増傾向にあるものの、コロナ禍前の2019年水準(同期比13.1%減)には及んでおらず、経済効果を牽引しているのは間違いなくインバウンド需要であることが示されました。
この調査結果は、2024年の東京都経済がインバウンド消費によって力強く下支えされたことを明確に示しています。特に、外国人旅行者による消費が、観光業だけでなく、関連産業全体に大きな波及効果をもたらし、過去最高の18兆円超という経済効果達成の主因となりました。東京都は今後も、この勢いを維持し、持続可能な観光振興と経済成長を図るための政策を推進していく方針です。
