イタリアのボッコーニ大学(Università Bocconi)内に設置されている研究センター「GREEN」が発行した報告書「TERRITORIAL ECONOMIC AND FISCAL IMPACTS OF MILANO-CORTINA 2026」によると、総生産額で約28億4,921万ユーロ、付加価値額で約12億1,885万ユーロの増加が見込まれている。
分析には古典的な「産業連関モデル(input-output model)」が用いられており、公的・民間支出による最終需要の変化が、生産、付加価値、雇用、および税収にどのような影響を与えるかが算出されている。
1.経済波及効果の構造
経済波及効果は、以下の3段階に分けて捉えられている。
- 直接的影響: 大会の建設・運営に関連する労働力、資材、資本などへの支出
- 間接的影響: 大会に関連する物品・サービスを提供するサプライヤーによる支出
- 誘発的影響: 五輪関連の雇用者が家計レベルで消費を行うことによる支出
2.支出の内訳と試算結果
分析の基礎となる総支出額は、公式計画および過去の冬季五輪データ、観光サテライト勘定に基づき、以下の3項目に分類されている。
- 投資コスト: 3億2,119万4,000ユーロ
- 運営コスト: 4億7,390万7,200ユーロ
- 観光客および選手による支出: 3億5,782万1,820ユーロ
これらを踏まえ、ロンバルディア州の経済構造を前提とした場合、総生産額で約28億4,921万ユーロ(約4,500億円以上)、付加価値額で約12億1,885万ユーロの増加が見込まれる。雇用面では22,170人のフルタイム相当(FTE)の職が創出されると試算されている。また、大会開催は市・州・国それぞれのレベルで税収をもたらし、実効税率(計24.96%)を適用した結果、総税収効果は約3億417万ユーロに達すると推計されている。
▷TERRITORIAL ECONOMIC AND FISCAL IMPACTS OF MILANO-CORTINA 2026
