ABBA Voyageの初年度の社会経済的影響に関する報告書によると、2022年5月から2023年5月までの間に、ロンドン経済に3億2260万ポンド(約4800億円)の売上高をもたらしたと推定されている。
スエーデン出身のバンドABBAの、全盛期の姿をしたアバターがステージに登場し、生バンドの演奏で、90分間で20曲を演奏するエンタテインメントだ。ジョージ・ルーカスが設立したインダストリアル・ライト&マジックの850人のチームが、ABBA Voyageの制作をした。照明と特殊効果により、専用アリーナで、スウェーデンのポップ・スーパースターがステージにいるような錯覚を起こす完成度だ。
会場はストラトフォードのクイーン・エリザベス・オリンピック・パークにある3,000席の専用アリーナ。1年目に100万人以上の観客が来場し、その20%が英国外からの旅行者だった。コンサート来場者1人あたりの地元での平均消費額は103ポンド。
コンサルタント会社Sound Diplomacyと社会的価値コンサルタント会社RealWorthがまとめた報告書によると、2022年5月から2023年5月までの間に、ロンドン経済に3億2260万ポンドの売上高をもたらし、このうち42%にあたる1億3110万ポンドは、ABBAアリーナ周辺での、宿泊費や飲食費によるものだ。これはイースト・ロンドン経済への付加価値総額だけで7,370万ポンドに相当するとのこと。
ABBA Voyageの収益1ポンドが、ロンドンへの観光収入3.12ポンドを発生させたと試算されている。