第一生命経済研究所の首席エコノミスト 熊野 英生氏は、2023年1月23日「コロナ分類の変更に関する経済効果」を発表した。コロナの感染上の分類を 5 類に引き下げることで、就労改善+消費改善で 1.4兆円が見込まれると試算した。
試算の前提条件は、
【就労効果】約8000億円改善
①2023 年に新規感染者が 1,000 万人発生
②新規感染者1人に対し濃厚接触者
③新規感染者、濃厚接触者共に、13日間就労不可能になる
④新規感染者の療養期間は4日とし、同日数就労不可能になる
【サービス消費の改善】約6000億円改善
①5類移行により、娯楽・レジャー分野の消費が改善される
②2023 年に新規感染者が 1,000 万人発生
合計すると、1.4兆円の経済効果になる。
就労効果は、実質経済と少し異なるが、消費改善額には波及効果もあると思われ、金額はより大きくなるだろう。
しかしながら2023年1月30日時点で、コロナによる死亡者は6万7845人。1年の平均は1万9089人。一方インフルエンザの死亡者は、2015年からの平均で、年間2,358人だ。
熊野氏の想定どおり1000万人の新規感染者に対し、2022年と同様の死亡率だとすれば、1万4000人が死亡する計算になる。経済的な恩恵だけで評価するのは難しそうだ。
▷コロナ分類の変更に関する経済効果1.4兆円(PDF)