日本および世界のフードロスの現状
1.日本のフードロス
農林水産省・環境省・消費者庁の推計(令和5年度/2023年度)によると、日本の年間フードロスは約464万トン(4,640,000トン)にのぼる。その内訳は、事業系が約236万トン、家庭系が約228万トンとなっている。
経済損失額は年間約4兆円規模に達するとされており、その主な構成要素として、廃棄された食品の市場価値、廃棄・焼却処理コスト、輸送・保管コスト、および関連する人件費が挙げられる。
試算の根拠として、食品の平均単価を1kgあたり約800〜1,000円と仮定すると、
472万トン × 1,000円/kg = 約4.7兆円
となり、上記の推計と概ね一致する。参考として、主要食品の1kgあたりの価格(税込目安)は以下のとおりである。
| 食品 | 価格(1kgあたり・税込目安) |
|---|---|
| 米(白米) | 約700〜950円(Numbeo) |
| パン | 約500〜650円(livingcost.net) |
| 鶏肉 | 約1,000円(Numbeo) |
| 牛肉 | 約2,800〜3,300円(Numbeo) |
| 野菜(トマト等) | 約680〜950円(livingcost.net) |
| 果物(リンゴ等) | 約770〜1,100円(livingcost.net) |
| 一般的な食品の平均 | おおむね800〜1,200円水準 |
(参考資料:農林水産省「食品ロスの現状」、消費者庁資料、環境省廃棄物処理統計)
2.世界のフードロス
国連環境計画(UNEP)が発行する「Food Waste Index Report」2024年版のデータによると、食品廃棄量の多い国は以下のとおりである。人口規模が大きい国ほど、フードロスの絶対量も多い傾向にある。
| 順位 | 国名 | 推定食品廃棄量(トン/年) |
|---|---|---|
| 1 | 中国 | 約91,646,213 t |
| 2 | インド | 約68,760,163 t |
| 3 | ナイジェリア | 約37,941,470 t |
| 4 | インドネシア | 約20,938,252 t |
| 5 | アメリカ合衆国 | 約19,359,951 t |
| 6 | パキスタン | 約15,947,645 t |
| 7 | ブラジル | ― |
| 8 | メキシコ | ― |
| 9 | エジプト | ― |
| 10 | 日本 | 約8,200,000 t |
なお、UNEPのデータに基づく日本の数値(約820万トン)は、農林水産省の推計(約464万トン)と大きく乖離している。これは、算出方法や対象範囲の違いによるものと考えられる。
3.1人あたりのフードロス
1人あたりの食品廃棄量でみると、ナイジェリアやルワンダなどが上位を占めており、必ずしも人口大国とは一致しない。
| 順位 | 国名 | 推定1人あたり食品廃棄量(kg/年) |
|---|---|---|
| 1 | ナイジェリア | 約189 kg |
| 2 | ルワンダ | 約164 kg |
| 3 | ギリシャ | 約142 kg |
| 4 | バーレーン | 約132 kg |
| 5 | マルタ | 約129 kg |
| 6 | ブラジル | 約94 kg |
| 7 | 中国 | 約76〜78 kg |
| 8 | アメリカ | 約73 kg |
| 9 | インド | 約55 kg |
| 10 | フィリピン | 約26 kg |
世界平均では、消費者レベルで1人あたり年間約132kgの食品が廃棄されていると報告されている。
日本政府(農林水産省・環境省)の発表をもとに計算すると、日本の1人あたりフードロスは年間約38kg(1日あたり約103g)となる。一方、UNEPのデータを用いると年間約68kgとなり、世界ワースト10圏内に入る水準である。一人ひとりが意識すれば、高市内閣の食品に対する消費税軽減より、経済全体に効果がありそうだ。
