2024年10月20日(日) 東京レガシーハーフマラソン2024が、14,788名の参加者を迎えて開催された。
主催者の発表によると、東京都内在住の参加者62.5%、他府県から37.5%が参加して開催された。国立競技場を出発して水道橋~神保町~神田~日本橋で折り返し、神田~神保町~一ツ橋河岸で2度目の折り返しをして、国立競技場にフィニッシュする、約21kmのハーフマラソン。沿道に集まった観衆は 9万6000人、国立競技場に約8000人(主催者発表)で、運営ボランティアは大会当日約 1800 人だった。
主催の東京マラソン財団は、ランナーへの事後アンケートを実施し、東京レガシーハーフマラソン参加の為に関東圏に滞在した日数、大会参加準備のための新規購入したスポーツ用品の金額などを一次データとして獲得。さらに、ボランティア参加者の居住都道府県、東京レガシーハーフマラソンEXPOなど関連イベントの参加者居住都道府県まで調査集計し、広範囲に渡り正確な情報を基に計算を行うことが出来た。
経済効果は計算者による乖離があるが、その大部分は計算者が、推定値を使用しているためであり、データの出典を示していない経済効果計算は、現実と大きな差が生じている。東京レガシーハーフマラソン2024において計算者の推定値はほとんど使用していない。参加者およびボランティアに関しては、居住都道府県県庁所在地から国立競技場までの交通費を一人ひとり確認し、官公庁が定めている宿泊出張手当の基準である片道100キロを超えた場合に宿泊していると計算した。
その結果、直接消費額は 34億 9200万円となり、一次および二次波及効果まで含めると、全国で73億 2100万円。東京都に限定しても、52億 2900万円という経済波及効果になった。(経済効果.NET算出)
東京レガシーハーフマラソン2024 を開催するための事業費予算が約7億9900万円であることを基準とすると、全国の経済波及効果は 9.15 倍、東京都内の経済波及効果は 6.54 倍と、経済に効率的な刺激となった。
日本人・外国人を合算した 1 人あたりの消費額の平均は、3万5200円となり、うち 2万200円が、大会出場のためにスポーツ用品、旅行用品などの購入を行っている。東京都内の消費だけではなく、日本各地での消費にも寄与している。
税収効果に関しては、東京都で 6億 400万円が、開催後 1 年程度で回収出来、東京都が本大会に助成金などを拠出している価値は充分にある。
消費行動が、モノからコトへの変化が表面化し、「推し活」が多くの人に浸透した昨今。マラソン大会への消費額も増加傾向にある。ウエアや靴などのギアだけでなく、宿泊を伴った大会に複数人で参加することを楽しむ方々、マラソン大会で最新技術の靴を購入される方々など、消費行動は拡がりを見せている。今後は大会関係者以外に経済活動が波及する手段をより検討していく必要に迫られるだろう。
経済効果.NET 首席研究員 江頭満正