ロックフェス中止で、北海道の税収6億円以上減少(ライジングサン)
RISING SUN ROCK FESTIVAL 2021 in EZOの中止が決定された。2年連続の中止に、主催者の断腸の思いが伝わってくる。一節によると主催社のWESSのライジングサン担当者は、他のフェス主催者に「開催できなくてごめんなさい」と謝罪しているという。フジロック、スーパーソニック、ロッキン・ジャパン、スイート・ラブ・シャワーなど、今後開催の可能性をギリギリの状態で模索している同志の中で、いち早く離脱した形になってしまったことを謝っているのではないだろうか。
ライジングサン・ロック・フェスは2018年経済波及効果102億円、2017年の実測値におる経済波及効果は99億500万円だった。のべ来場者数72,000人、出演アーティスト113組、7つのステージで大々的に開催された2017年には、北海道と札幌市合わせて6億1600万円の税金が行政に入ったと思われる。(石狩市のデータ未確認のため札幌市で計算)
経済波及効果は、ライジングサンの経済活動に加えて、仕事を受託している警備会社や、フェス飯の出店者さん、会場までのシャトルバス運営会社など、数多くの協力者が得られる「粗利益」や、ライジングサンで働く人の給与まで計算しするのが一般的だ。特にライジングサンは、キャンプ型であるため、アウトドア用品や、長ぐつ、ビールサーバーなど事前準備に積極的な来場者が多い。こういった消費はライジングサンの収益とは直接関わりないが、ライジングサンが開催されなければ、発生しなかった経済活動の可能性もある。
ライジングサンの収益以外の経済活動が90%近いのが特徴だ。ライジングサンの収益が100億円あるわけではない。そんな事情で警備会社や、バス、周辺のホテルや、千歳空港でのお土産まで拡がった、ライジングサンの経済波及効果による、消費税や、事業税を合計すると6億1600万円だった。
この6億1600万円の税収で出来ること。
2021年4月時点の札幌市待機児童は1578人。公認の保育所で小型の場合には(30人以下)新設には、およそ600万円、毎月の運営費は250万円。単純計算するとライジング中止で失った税収で、20の小型公認保育所を新設出来、300人の待機児童を減らすことが出来たことになる。
ライジングサンの様に、全国から観客を集め、宿泊し、飲食するイベントは、伝統的なお祭りや、マラソン大会より、経済波及効果が高く、税収も大きい傾向がある。来場者1人が2日間で平均5万8900円を消費し、それが北海道全土に波及すると1人あたり9万9000円まで増加する。
ロックフェスは、民間企業が行う「興行」であり「商行為」に過ぎないと思っている行政関係者がいたら、大きな間違えであるということだ。